眼鏡にコンタクトレンズ、そして手術。近視矯正の選択肢は徐々に増えてきましたが、その一方でどれが自分に合っているのか迷うことも。
この記事では、①眼鏡 ②コンタクトレンズ ③レーシック ④ICL(フェイキックIOL)手術の4つの方法について、費用やメリット・デメリット、眼病リスクまで見据えて比較します。
💡 あなたに合った近視矯正方法 1分診断 💡
Q1. 年齢は18歳以上ですか?
Q2. 眼鏡やコンタクトレンズから解放されたいですか?
Q3. 強度近視(-6D以下)である、または将来万が一の際に「元に戻せる(可逆性)」選択肢を残したいですか?
近視矯正方法4つの特徴比較
数千円~数万円
眼科処方箋/眼鏡本体費用
数千円
眼科処方箋費用
約20~40万円
検査/診察/手術/処方薬費用
約40~80万円
検査/診察/手術/処方薬費用
ほぼなし
眼鏡クロス費用
約6万円 ※ 1
~数千円/年
術後検診費用
~数千円/年
術後検診費用
簡単
不要
不要
不要
なし
やや高い
手術直後など一時的に高くなる可能性あり
ほぼなし
ほぼなし
重度のドライアイ、角膜新生血管などで制限あり
強度近視、角膜厚不足で制限あり
強度近視、乱視にも対応
ゴーグル型利用等を検討
ソフトコンタクトレンズ利用を検討
顔面打撃のあるスポーツを行う場合、PRK術式の方が現実的
顔面打撃のある格闘技やヘディング・衝突の多いコンタクトスポーツには不向き(レンズがずれる可能性)
制限なし
概ね中学生以上
18歳~(法定基準)
近視進行が落ち着く20~25歳以降が現実的
18歳~(法定基準)
近視進行が落ち着く20~25歳以降が現実的
容易(外すだけ)
容易(外すだけ)
不可(削った角膜は戻せない)
可能(再手術でレンズ抜去)
近視矯正方法のメリット・デメリット比較
メリット
- 年齢制限なし
- 費用が安い
- 目の負担が少ない
- 可逆性あり
- 中学生くらいから適応可
- 可逆性あり
- 手術の中では費用が手頃
- 術後のお手入れ不要
- 可逆性あり
- 術後のお手入れ不要
デメリット
- 眼鏡酔い
- 目が小さく見える
- 費用が高め
- 装用時間に上限あり
- ドライアイリスクあり
- 不可逆性リスクあり(術後は元の状態に戻せない)
- 年齢制限あり
- 術後一定期間のドライアイリスクあり
- 費用が高め
- 年齢制限あり
- 手術時、角膜内皮細胞が減る
方法① 眼鏡

近視矯正の第一選択肢は、やはり眼鏡ではないでしょうか。適応年齢制限がなく、費用面でも他の方法より安上がりで、お手入れも簡単です。 目への物理的な刺激や酸素不足の心配がなく、目の負担が最も少ない点も重要です。
但し最強度近視の場合、高性能の薄いレンズを使ったとしてもフレームデザインによってはレンズ厚がかなり分厚くなることがあります。 また、矯正度合いの高い眼鏡をかけるとどうしても目が小さく見えてしまうため、アイメイク重視の方には不向きであるともいえます。
方法② コンタクトレンズ

手術以外の近視矯正方法として人気のコンタクトレンズ。眼鏡のようにレンズ内外の視力差が生じず、見え方が自然である点が魅力です。 また、装用によって目が小さく見えることもなく、アイメイクの邪魔をしません。適用年齢は小学校高学年~中学生以上で、十代前半の若年層でも利用が可能です。
但し気を付けるべきは、装用時間に上限があること。レンズで目を覆ってしまう形状のため、コンタクトレンズはどうしても目への酸素供給の妨げになってしまいます。 私自身、装用時間ルールを守れなかったために角膜新生血管が大量に発生し、眼科のお医者さんから「一生コンタクトレンズ使用禁止」の宣告を受けました。
方法③ レーシック
近視矯正目的手術としてポピュラーなのがレーシックです。比較的安価で受けることができ、術後のランニングコストは基本的に不要です。 適応年齢は18歳以上とされていますが、個人的には近視の進行が落ち着く20歳以降のタイミングが現実的だと考えています。 近視が進む段階で手術を受けてしまうと、術後に度数が合わなくなってしまうリスクが生じるためです。
また留意すべきは、適応条件がある点です。角膜を削るため、手術を受けるには一定程度の角膜厚が必要です。削る角膜厚は通常、近視度合いがきついほど厚くなります。 つまり最強度近視の場合、軽度近視よりも角膜を分厚く削る必要が生じます。 安全に削ることのできる角膜厚には限度があるため、最強度近視の方や、元々角膜が薄い方は適応外となる可能性があります。
更に、一度削った角膜は再生しません。 角膜が薄くなりすぎると【 角膜拡張症(かくまくかくちょうしょう)】などの症状を引き起こすことがあります。 手術を検討される場合は、信頼できる病院で、角膜厚と矯正度合い、更に将来のリスクを考え合わせた上で決定されることを強くお勧めします。
方法④ ICL(フェイキックIOL)

最強度近視や乱視でも対応可能な、適応範囲の広さが魅力の近視矯正手術です。 眼内にレンズを埋め込む方式のため、レンズを抜去してしまえば概ね現状回復ができる点もポイントです。 コンタクトレンズ同様、見え方も自然。更に術後のランニングコストは基本的に不要です。
レーシック同様、適応年齢は18歳以上とされていますが、やはりこちらの手術も近視の進行が落ち着く20歳以降のタイミングが現実的だと考えています。 レンズ交換による矯正視力の調整は理論上可能ですが、実際には手術の度に一定程度の角膜内皮細胞が失われてしまうこと、 また60代以降に白内障手術を受ける可能性(この段階で一定数の角膜内皮細胞が残っている必要あり)まで考慮すると、ICLの複数回手術は基本的にお勧めしません。 そもそも最強度近視の場合、眼軸が病的に長く構造上の負担が常にかかっている状態です。必要以上の物理刺激は避けた方が賢明でしょう。
最大のネックとなるのは、他の方法に比べ初期費用が突出して高い点です。 但しこれは【 初期費用 】として考えた場合であって、20年分のコストを元に年換算すると大分印象は異なります。 また、頭部への打撃可能性があるスポーツをされている方には不向きです。衝撃によって、レンズがずれてしまう危険があるためです。
眼鏡/1日使い捨てコンタクトレンズ/レーシック/ICL(フェイキックIOL)の年間費用イメージ ※ 20年分費用を1年換算した額を掲載

手術有無関係なし! 強度近視が留意すべき眼底疾患
ひとつ理解しておかなくてはならないのは、強度近視の場合【 眼底疾患 】に罹る率が近視のない人に比べて大分高いということです。 これは眼軸が通常よりも長い(≒近視)という構造的な問題によるもので、眼鏡、コンタクト、レーシック、ICL(フェイキックIOL)、いずれの手段を選んだとしてもリスクとして残ります。 強度近視患者が留意すべき代表的な眼底疾患としては、下記のものがあります。

代表的な眼底疾患
- 重度の視力低下
- ゆがみ/見えない部分の出現
- 飛蚊症
- 光視症(眩しく見える)
- 最悪失明の可能性あり
- 視野が徐々に欠ける(初期〜中期は自覚症状ほぼなし)
- 最悪失明の可能性あり
- 視力の大幅な低下
- 中心暗点、直線が曲がって見える
現時点で眼軸長の治療はできないため、これらの疾患を根本的に予防することはできません。但し、少し気を付けるだけでリスクを軽くする方法はあります。
リスク低減ポイント① 目をこすらない/強く圧迫しない
目を強くこすると網膜に物理的な力が加わってしまい、網膜剥離や網膜裂孔の原因となることがあります。 怖い表現で恐縮ですが、大きく膨らませた風船の表面を強くこすって、破裂してしまうイメージです。 これを防ぐには、とにかく目をこすらないことを徹底すること。 私自身、目が痒い時・異物感がある時は、水(できれば防腐剤無添加の目薬)で洗い流すことを徹底しています。 但し目を洗いすぎると、大切な涙をも流してしまうことになります。洗いすぎにも御注意下さい。
リスク低減ポイント② 眼球に強い衝撃がかかるスポーツや動作に注意する

ボクシングや各種格闘技など、頭部に強い衝撃を受ける可能性があるスポーツには注意が必要です。 前述の通り、強度近視の場合の眼底疾患リスクは【 眼軸が長い 】ことが原因です。 眼鏡や手術で視力矯正を行ってもこの【眼軸長リスク】はそのまま残るため、強い衝撃によって網膜にダメージが生じる恐れがあります。
リスク低減ポイント③ 目の定期健診を受け、自分では気づかない疾患を可視化する

症状がゆっくりと進む緑内障や、初期症状が殆どない角膜新生血管などは、自分でその不具合になかなか気づくことができません。 そのため強度近視の場合、手術有無関係なく年に1回以上の目の健康診断を受けることを強くお勧めします。
眼軸が長いことによる眼底疾患のリスクは、現時点では治療ができません。 リスク軽減のためには、御自身の目の特性を知ること、そして目への物理的な刺激の回避と年1回以上の目の検査がとても重要です。
まとめ:近視矯正方法は 年齢 / 目の状態確認 / 目指す状態 の順で確認して決める
このように、近視矯正方法の選択肢は増えてきましたが、年齢や目の状態によって一定の制限があります。 そのため、まずは「自分がどうありたいのか」というイメージを具体化した上で(例:眼鏡なしの生活をしたい、激しいスポーツをしたい など)、 眼科のお医者さんに相談されることをお勧めします。

